理学療法士の役割は,基本動作障害の原因を追求してそれを改善すること,もしくは機能障害があっても自立したADLを行う方法を患者に提案・指導することである。その介入の手がかりになるのが,観察的動作分析(評価)である。本書は,この観察的動作分析を身につけられるように,臥位,寝返り,起き上がり,座位,立ち上がり,立位,歩行といった基本動作について,「身体のどこを見ればよいのか」から「どこをどのように治療すればよいのか」までを紹介した書籍である。基本動作の基礎知識,異常動作の解説,さらには基本動作の改善に必要なハンドリング(徒手的な動作誘導)を解説している。さらに,ウェブサイト上の動画配信サービス(メジカルビュー社Movie Archives)と連動しており,紙面掲載の二次元コードを携帯端末で撮影すると,実際の動作,治療法を動画で視聴することができる。本書で得た知識を,ぜひ臨床現場で活かしてほしい。